31年目のRealize

技術に関する詳しい記事や分かりやすい記事は世の中にたくさんあるので、自分なりのアウトプットを試行錯誤。

「理解する」って何!

二歩下がる

仮想サーバの構築+Djangoの導入を進めているうちに問題が発生。

手順通りに進まない…。

書いてあることは理解しているつもりだけど、上手くいかない。

仕事でも似たような状況になることは多々あったのですが、その時は「そういうものだ」と思い込み、深く考えないようにしていました。

しかし最近になってようやく自覚しました。

今まで、理解したと思っていたが、理解した”つもり”になっていただけだったということです。

どういう状況かと言うと…

資料を読み込み、ポイントになりそうな部分をピックアップし、まとめる。そこまでは良いのですが、その後、他者へ説明しようとすると…できない。言葉が詰まる。質問に回答出来ない。

他者に説明できるくらいに理解しなきゃ…とは思いますが、でも今のやり方ではダメだよなぁ…と悩んでいた所

…そもそも、理解するってどういう状態?

と考えるようになりました。
そこで見つけたのが、この本です!

ズバリなタイトルで目に留まりました。

この本について

工学者で東京大学名誉教授の、畑村洋太郎さん著作。「失敗学」という学問の提唱者で有名な方の本でした。

2005年に出版された本ですが、これは自分の悩みにマッチしているし、有名な方の本だし、信頼できそうだ!という単純思考で即買い。

学べたこと

ひとまず1週間弱で一通り読み、分かった事をここに記します。

「わかる」とはどういうことか?

人が「わかった」と感じる時、以下の3パターンの事が脳内で判断されているのです。

  1. 「要素」の一致
  2. 「構造」の一致
  3. 「新たなテンプレートの構築」

前提として

世の中の全ての事象は「要素」が組み合わさり「構造」化され、さらに「構造」が組み合わさることで成り立っています。

それらの「要素」や「構造」について、人は今までの経験の中で知識として蓄え、「テンプレート(雛形)」化して脳内に保管しています。

「要素・構造」の一致

上記1,2については、ある事象に対して、自分が持っている「要素」または「構造」のテンプレートとのマッチングを試み、一致させることで「わかった」と感じます。

「新たなテンプレートの構築」

自分が経験したことのない、新たな事象が発生した場合、自分が持っているテンプレートを組み合わせ、より近いものとマッチングさせることで「わかった」と感じ、それを新たなテンプレートとして保管します。

テンプレートに関し、面白い話がありました。
脳科学の分野で研究されている現象として、「脳神経の髄鞘化(ずいしょうか)」というものがあります。

これは脳神経の周りに鞘ができる現象で、これにより神経の情報伝達速度が一桁から二桁早くなるとのこと。

そこで、新たなテンプレートを作るということは、この「髄鞘化」そのものではないか、と著者の畑村さんは考えていました。

そう考えると、「理解したつもり」では新たなテンプレートも作られず、髄鞘化も起きないので、他者へ説明するときに言葉が出てこないのかも?というのも一理あるのではと思います。

つまり、理解をしていくためには

資料を読んだり、経験をする中で、それにはどんな「要素」が含まれ、「構造」化されているかを意識することで、テンプレートを増やしていくこと。

また、新たなテンプレートを構築する時には「仮説立証」のプロセスを踏む事が有効らしいので、まずは先に答えを知るのではなく、自分で考え、予想してみた上で実際に動かし答え合わせすること。

その他にも

「直観」と「直感」の違いや、暗記の良し悪し、定量化訓練などが述べられていたり、「あー自分はこういうタイプだなー、だから理解力が足りないのか…」と思える具体事例があったりして面白いので、興味がある方は是非読んでみてください。

また、今回の紹介ではごちゃごちゃしそうだったので「要素」「構造」って具体的にどういうことを指す?といったことは書きませんでしたが、その例も豊富にありますので…。

まだまだ一度読んだだけでは理解しきれないので、この本をバイブルとして、実生活に当てはめながら理解を深めていきたいと思っています。

ブログタイトル

ブログを始めるきっかけも、この投稿のきっかけも、自分自身のことを知ることができたからでした。(目標が無いから興味も持てない、理解したつもりになり説明ができない)

それにちなんで、ブログのタイトルは

[31年目のRealize]

にしました。

realizeの意味

〔頭で思考・理解して〕~に気付く、~を悟る、自覚する、実感する

また

〔夢・望ましい状況などを〕実現する

31年目の人生で新たに気づき・自覚したことを期に、目標を実現させたい、という意味を込めてみました。いい感じの単語ですね。馴染む馴染む。

以上!