「理解する」って何!
二歩下がる
仮想サーバの構築+Djangoの導入を進めているうちに問題が発生。
手順通りに進まない…。
書いてあることは理解しているつもりだけど、上手くいかない。
仕事でも似たような状況になることは多々あったのですが、その時は「そういうものだ」と思い込み、深く考えないようにしていました。
しかし最近になってようやく自覚しました。
今まで、理解したと思っていたが、理解した”つもり”になっていただけだったということです。
どういう状況かと言うと…
資料を読み込み、ポイントになりそうな部分をピックアップし、まとめる。そこまでは良いのですが、その後、他者へ説明しようとすると…できない。言葉が詰まる。質問に回答出来ない。
他者に説明できるくらいに理解しなきゃ…とは思いますが、でも今のやり方ではダメだよなぁ…と悩んでいた所
…そもそも、理解するってどういう状態?
と考えるようになりました。
そこで見つけたのが、この本です!
ズバリなタイトルで目に留まりました。
この本について
工学者で東京大学名誉教授の、畑村洋太郎さん著作。「失敗学」という学問の提唱者で有名な方の本でした。
2005年に出版された本ですが、これは自分の悩みにマッチしているし、有名な方の本だし、信頼できそうだ!という単純思考で即買い。
学べたこと
ひとまず1週間弱で一通り読み、分かった事をここに記します。
「わかる」とはどういうことか?
人が「わかった」と感じる時、以下の3パターンの事が脳内で判断されているのです。
- 「要素」の一致
- 「構造」の一致
- 「新たなテンプレートの構築」
前提として
世の中の全ての事象は「要素」が組み合わさり「構造」化され、さらに「構造」が組み合わさることで成り立っています。
それらの「要素」や「構造」について、人は今までの経験の中で知識として蓄え、「テンプレート(雛形)」化して脳内に保管しています。
「要素・構造」の一致
上記1,2については、ある事象に対して、自分が持っている「要素」または「構造」のテンプレートとのマッチングを試み、一致させることで「わかった」と感じます。
「新たなテンプレートの構築」
自分が経験したことのない、新たな事象が発生した場合、自分が持っているテンプレートを組み合わせ、より近いものとマッチングさせることで「わかった」と感じ、それを新たなテンプレートとして保管します。
テンプレートに関し、面白い話がありました。
脳科学の分野で研究されている現象として、「脳神経の髄鞘化(ずいしょうか)」というものがあります。
これは脳神経の周りに鞘ができる現象で、これにより神経の情報伝達速度が一桁から二桁早くなるとのこと。
そこで、新たなテンプレートを作るということは、この「髄鞘化」そのものではないか、と著者の畑村さんは考えていました。
そう考えると、「理解したつもり」では新たなテンプレートも作られず、髄鞘化も起きないので、他者へ説明するときに言葉が出てこないのかも?というのも一理あるのではと思います。
つまり、理解をしていくためには
資料を読んだり、経験をする中で、それにはどんな「要素」が含まれ、「構造」化されているかを意識することで、テンプレートを増やしていくこと。
また、新たなテンプレートを構築する時には「仮説立証」のプロセスを踏む事が有効らしいので、まずは先に答えを知るのではなく、自分で考え、予想してみた上で実際に動かし答え合わせすること。
その他にも
「直観」と「直感」の違いや、暗記の良し悪し、定量化訓練などが述べられていたり、「あー自分はこういうタイプだなー、だから理解力が足りないのか…」と思える具体事例があったりして面白いので、興味がある方は是非読んでみてください。
また、今回の紹介ではごちゃごちゃしそうだったので「要素」「構造」って具体的にどういうことを指す?といったことは書きませんでしたが、その例も豊富にありますので…。
まだまだ一度読んだだけでは理解しきれないので、この本をバイブルとして、実生活に当てはめながら理解を深めていきたいと思っています。
ブログタイトル
ブログを始めるきっかけも、この投稿のきっかけも、自分自身のことを知ることができたからでした。(目標が無いから興味も持てない、理解したつもりになり説明ができない)
それにちなんで、ブログのタイトルは
[31年目のRealize]
にしました。
realizeの意味
〔頭で思考・理解して〕~に気付く、~を悟る、自覚する、実感する
また
〔夢・望ましい状況などを〕実現する
31年目の人生で新たに気づき・自覚したことを期に、目標を実現させたい、という意味を込めてみました。いい感じの単語ですね。馴染む馴染む。
以上!